無理しない自己破産の方法<その1>

「借金についてのご相談は○○法律事務所へ」という
CMや広告、チラシなどが非常に多くなりましたが、気になるのは相談費用ですね。

1回30分の相談だけなら無料というところは多いのですが、
結局そこから先の具体的な話となると費用がかかってきます。

債務整理は借金を減らすことはできても返済はしなくてはなりません。

借金をなくす自己破産の平均弁護士費用は約30万円です。
お金が払えなくて悩んでいるのに、そのうえ弁護士費用なんて…と一歩を踏み出せない人はきっと多いと思います。

でも、実際にはこんなケースもあるのです。
仮にA子さんとしてその実例をご紹介しましょう。

まずは、法テラスに無料相談

前述しましたように、一般的な自己破産の弁護士費用は約30万円です。
しかしその30万円が払えなくて困っている人には、
法テラスという日本司法支援センターで無料相談を受けることができ、
自己破産にかかる弁護士費用も約15万円に抑えられ、またその支払いも分割対応してもらえるという制度があります。

借金に困っていたA子さんも法テラスに相談しようと、
無料法律相談の予約を入れようと法テラスに電話をかけました。

しかし法テラスのこの制度を利用するには条件審査をされるのですが、
収入が一定額以上あれば法テラスの制度を利用することが出来ません

A子さんは現在無職で収入はありませんでしたが、確認してみると旦那さんの収入が一定額をほんの少しだけオーバーしており、法テラスの援助が認められませんでした。

続いて、弁護士会に無料相談

落胆するA子さんに法テラスの担当者は「都道府県の弁護士会が無料の法律相談をしているので、一度相談してみては」とすすめました。

相談は無料とはいえ、依頼すれば30万円もかかるのに…と悩みましたが、他にどうするアテもないので無料相談を申し込みました。

当日、30分間の無料相談で弁護士に状況を説明すると「債権者の素性がはっきりしていて数が少なく、また資料も揃っているのでこれなら30万円もかかりませんよ。法テラスと同額でも可能でしょう」と言われたのです。

弁護士費用は着手金として一括前払いが原則なので、30万円は絶対無理と思っていA子さんでしたが、半額くらいで済むなら無理をしてでも…と思いかけた時、
「弁護士でも分割払いに対応してくれますよ」との答えももらい、思い切って正式に弁護士に自己破産手続きを依頼することにしました。

弁護士と司法書士の違いとは?

ここで少し、弁護士と司法書士の違いについて触れておきます。
2003年の法改正によって弁護士だけでなく、司法書士にも140万円以下の借金についての交渉権と簡易裁判所の訴訟代理権が認められるようになりました。

しかし、140万円以上の借金は交渉権・訴訟代理権が認められないこと、またその訴訟代理権は簡易裁判所のみに限定されるので、実際問題司法書士では解決できない場合が多いのです。

基本的に司法書士は書類作成が仕事なので、自己破産に関する申し立ての書類は作成してもらえますが、裁判所への申し立てや裁判所から呼び出しを受け、裁判官と面接(審尋)する際の回答も司法書士はできません。

でも弁護士は書類作成から申し立ての手続き、面接回答まですべてにおいて代理をつとめてもらえるので安心です。お金を払って確実に自己破産をしたいのであれば、弁護士に依頼するべきでしょうね。

結果、法テラスよりも安くなった!

数ヶ月後、無事自己破産が完了し、A子さんには弁護士さんから収支計算書が届き、なんと預かり金から出金額(破産申し立て印紙代・コピー代・通信費などの実費)を差し引いた残金が12,000円も帰ってきたのです!

結果として法テラスよりも安く自己破産が出来たというわけです。

なぜこんなに安く自己破産が可能になったのでしょうか。
その理由は<その2>でご紹介しましょう。

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