無理しない自己破産の方法<その2>

自己破産の手続きを弁護士に依頼した場合、平均費用は約30万円かかります。
しかし、実際には法テラス利用での約15万円よりも安くできる場合があるのです。

しかも債務者が自分で裁判所に出向いて面接を受ける必要もなく、最初から最後まですべて弁護士が代理で自己破産手続きをしてもらっているにも関わらず、です。

A子さんは、なぜそんなに安い費用で自己破産手続きが可能だったのでしょうか

弁護士が一番大変な作業がほぼ整っていた!

弁護士が債務整理や自己破産などを手がける場合、
一番大変なのが「どこからどれだけ借りたのか、どれくらい返しているのか」を調べて証拠を集めることだそうです。

弁護士いわく「自己破産に至る人は自己管理が出来ない人が多いので、こうした資料も手元になく、いつどこからどれだけ借りてるかも把握していない人が多い」のだそうです。

特に闇金などからの借り入れは証拠がはっきりつかめない場合が多く、そうした情報や資料を集めるのに大変苦労するそうです。そのために調査費用が多くかかってしまうとのこと。

A子さんの場合、どんな会社からいつからどれだけの借入れをして、月々いくら支払っているか、また残債はどれくらいあるか、そしてその借り入れは何に使われたのかが非常にはっきりしていました。

債権者から届く文書もハガキ一枚までしっかり手元においていましたし、申し立てに必要な情報がすべて揃っていたのが弁護士さんにとって大変手がけやすい案件となったのです。

よく督促状などが届くと怖くなって捨ててしまう人もいますが、債権者から届いた書類などは必ず残しておきましょう

収入があっても払えない理由がはっきりしていた!

A子さんの借金の理由は、数年前に旦那さんが失業し、生活費に困ってのことでした。

連帯保証人となっているわけでなければ配偶者には妻あるいは夫名義の借金を共に負う義務はありませんが、この場合旦那さんが失業して生活費が必要だったということなので、「旦那さんのための借金」でもあるので、旦那さんにも支払い義務はあると判断されるのです。

失業から数年後に旦那さんは再就職が出来、法テラスの援助が認められなかったように収入も低いわけではなくなりましたが、A子さん名義の借金だけではなく、旦那さん自身も失業時代に親族からお金を借りており、その返済をしていたため収入がある程度あっても、A子さん名義分まで返済をすることは無理だと説明が出来たのです。

その親族との間に借用証を作っておいたことや、月々の返済を銀行口座からの振込みでしていたため、証拠が残っていたのも有利でした。

自己破産のポイントは
「返済する気がない」のではなく
「返済したくてもできない」ということと、その理由を明確にすることです。

こうしたアドバイスはやはり司法書士ではなく、経験豊かな弁護士ならではということがありますので、自己破産を検討する際にはまず法テラス、そして弁護士会の多重債務無料相談をしてみることをおすすめします。