節税にもなる社会貢献、誰でもできるボランティア【連載第25回】

コラム25東日本大震災からもうすぐ2年が経とうとしています。現在も地震や津波による爪あとがまだ残っている上に、九州など各地で豪雨による水害や土砂災害なども多く発生しています。

現地に駆けつけて復興作業の手伝いをしたりするボランティアもとても大切ですが、受け入れ態勢が整っていない被災地に突然押しかけてはかえって迷惑になることも。

むしろ被災地に行く交通費を、そのまま寄付してみてはいかがでしょうか。
「お金だけっていうのは心がこもってないような…」とためらう人も多いでしょうが、お金を寄付すれば被災地の方々が必要とする様々な支援に活用することができますので、たとえ額は少なくてもいい結果を招くことになるでしょう。

寄付をしたお金は「寄附金控除」の対象になることも

また、ご存じない方も多いようですが、実は寄付をしたお金は確定申告をすると一定の条件下で控除されるのです。誰でもができるボランティア=寄付金で節税も出来、社会貢献にもなるというのはとてもいいことではないでしょうか。

寄付金控除を受けるには、所轄の税務署で確定申告をしなければなりません。勤務先でやってくれる年末調整では控除は受けられませんのでご注意下さい。

また、確定申告書を提出する際には、お金の寄付をいつどこの団体にしたか、金額はいくらかなどを証明する「領収書」「受領書」などが必要になります。銀行口座等への振り込みの場合も振込用紙の半券やATMの利用明細が必要ですので、失くしたり処分したりしないように注意が必要です。

街頭の募金箱等に入れる寄付ではまずこうした証明書の発行は無理ですので、控除を受けるのであれば国または被災者を支援する団体への寄付をおすすめします。なお、寄付金の控除額は寄付した金額(ただし総所得金額の40%を限度とする)?2,000円、そして寄付金控除額は所得税率をかけた金額で還付されます。
また、東日本大震災に対する寄付金の場合は総所得金額の80%まで限度額が上がります。

「義援金」と「寄付金」、「支援金」の違いって知っていますか?

ちなみに、「義援金」と「寄付金」、「支援金」という言葉を同じ意味にとられている方もおいでですが、それぞれ渡される場所や使われる用途が違います。

「義援金」は被災者に直接渡されるお金です。
「寄付金」は被災者へ渡されるほかにもNPOや自治体など、被災者支援活動を行っている団体へも配分されたり、公共道路などの復旧工事費にも使われる、使途の広いお金といえます。
「支援金」というのは被災者支援を行うNPOやNGOといった団体や機関に渡される支援費用なのです。

「直接被災者の手に渡る義援金でないと寄付したくない」と思われるかもしれませんが、義援金は配分するのに公平を期さなければいけないので、かなりの金額が集まるまでは配分手続きが行われず被災者の手にはなかなか渡りません。
救援・救護活動や医療費にもなる寄付金や支援金も「すぐ役に立つ」という意味で大変重要ですので、こだわりすぎる必要もないといえます。

【2013年2月19日 14時54分】

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