その資金繰りは大丈夫?融資保証金詐欺
「融資保証金詐欺」は別名「貸します詐欺」とも呼ばれる詐欺手法で、お金を貸す条件として先に一定の金額を支払うよう指示してくるものです。
「なぜ先にお金を要求されて支払ってしまうのか?」
と不思議に思うかもしれませんが、その名目は一見「なるほど」と思わせるようなもっともらしい事柄なのです。
それでは実例に沿ってその手口をご紹介しましょう。
(1)借金を一本化、しかも低金利で
この詐欺のターゲットは主に資金繰りが苦しそうな中小企業経営者や多重債務者です。
こうした人にダイレクトメールやFAX、電話で「借金を一本化しませんか。今なら低金利でご利用できる特別な融資をご紹介できます」と誘いをかけます。
そして電話でいかにも親身になって資金繰りの苦しさや不安などを聞きだした上で「こちらでも確認させて頂きましたが、確かにブラックリストに載っておられて通常は融資がおりない状況です。ただ、返済していく気持ちとその証明ができれば融資が可能になります」と言い、融資予定額の1割などを「保証金」という名目で先に支払うように仕向けるのです。
お金に悩む被害者はわらをもつかむ思いなので「この先多額の融資がおりるならば」と安易に考えて支払ってしまいます。また、そうしたお金も支払えない人に関しては「うちが提携している金融機関がありますので、そこでカードを作って先払い金の分だけキャッシングしてください」とすすめます。
(2)様々な名目金
融資(架空)の前に支払わせるお金の名目は保証金の他に下記のようなものがあります。
「ブラックリスト登録抹消費用」
「融資手続きに関わる司法書士作成書類代」
「保証人が立てられないので保証協会に加入してもらわなければなりません。その費用が○万円です」
「融資審査は通りましたが融資実行には保険加入が必要です。保険掛け金は○円です」
…と、いろんな名目で被害にあっています。
なかにはこうした名目を複数出されて、何回もお金を払わせられた人も居ます。
みな「こうしないと融資してもらえない」と思って必死なのですが、そんな融資手続きは絶対にありえませんし、どれだけ先に保証金を支払ってもお金を融資してくれることもないのです。
また、支払い方法も以前は銀行口座振込みが多かったのですが、振り込め詐欺を警戒する金融機関を避けて施設私書箱宛に現金を郵送させるなど、手口も変ってきています。
被害に合わないためには
こうした「融資保証金詐欺」に合わないためには、見知らぬ金融機関からのダイレクトメールやFAX、電話は相手にしないこと。実在する金融機関を名乗った場合は、その金融機関に直接確認すること、そして何より「正規の貸金業者であれば、保証金等の名目で融資前に現金を振り込ませることはないし、電話だけで融資を実行する事もありえません」このことを忘れないようにしましょう。
また、そうした要求があっても絶対に支払わず、警察に相談しましょう。