【身近な金融犯罪】あなたの通帳・印鑑は狙われてる!

金融犯罪1以前、
銀行の通帳の裏表紙には「副印鑑票」という、
銀行届け出印を押印したものが貼ってありました。

通帳の持ち主もそれを見て
「この銀行の印鑑はこれだった」
などと確認に使ったりもしていたものです。

しかし、
最近ではこの「副印鑑票」を廃止している金融機関が増えています

それは、
この「副印鑑票」が悪用されて
銀行預金が不正に引き出される事件が多発したからです。

通帳と、印鑑の保管場所に<要注意>

高齢者の人の多くはATMを使わずに、
銀行窓口で通帳と印鑑を用いて預金を引き出したがります。

それは機械操作が苦手なのと
暗証番号をすぐ忘れてしまうからなのですが、
こういう方は自宅での保管においても印鑑と通帳を一緒に保管していますので、
空き巣に入られた際に両方とも奪われ、その通帳と印鑑を使って本人(または家族を装って)になりすましてやすやすと預金を不正に引き出してしまいます。

しかし、
「副印鑑票」を添付してある通帳ならばたとえ印鑑そのものはなくても、
その陰影を元に印鑑を偽造することはたやすいので、
これまた簡単に不正な引き出しを許してしまうことになるのです。

もしもこうした犯罪によって貴方の大切な預金が引き出されてしまったとすれば、
その被害は補償されるのでしょうか?

被害に合った時の<補償条件>

実は金融機関がこうした犯罪被害による補償を行うには、条件があるのです

まず、
基本の3要素がこちらです。

(1) 通帳・証書の盗難に気づいてからすみやかに、当該金融機関への通知が行われたかどうか

(2) 当該金融機関の調査に対し、被害者(口座保持者)より十分な説明が行われたかどうか

(3) 当該金融機関に対し、
警察に被害届を提出していることや盗難にあったことが推測される事実をしっかりと確認できるかどうか

です。被害に気付いたらまずは、速やかに連絡をしましょう。

そして補償が行われない場合
被害者(口座保持者)に過失または重大な過失があった場合です。

重大な過失や過失とは何かと言うと、

■ 他人に通帳や印鑑を渡していた
■ 通帳や印鑑を他人の目につきやすい場所に置いていた
■ 第三者にもたやすく奪われる状況に置いていた
■ 銀行届け出印の印影が押印された払戻請求書などの書類を通帳と共に保管していた
■ 届け出印を通帳と共に保管していた

などです。
いかがでしょう。
普段こんな管理をしている人は案外多いのではないでしょうか。

これでは盗難・不正使用の被害にあった場合、
補償をしてもらえなくなる恐れがありますので、
ぜひ通帳や印鑑は別々の場所、それもたやすく見つけられない場所に保管するように気をつけてください。