総量規制の目的とは?

総量規制とは、多重債務や自己破産などを防止する目的として、借り手の年収を基準として、借入枠を制限するという貸金業法です。

貸付契約には、個人向け貸付け・個人向け保証・法人向け貸付け・法人向け保証の4種類がありますが、 総量規制の対象となるのは、個人向け貸付けについてです。

消費者金融、事業者金融会社、クレジットカード会社、信販会社というノンバンクからのローン及びキャッシングが対象となっています。
我々にとって重要な総量規制の内容としては、

1: キャッシングなどでは総額で年収の1/3までしか借り入れができない。
2: 1社からの借入額が50万円を超えた場合、または複数の貸金業者からの借り入れ合計が100万円を超えた場合には、年収を証明する書類の提出が必要だ。

ということでしょうか。

総量規制によって借り入れの上限が年収の1/3だったなら、住宅ローンや自動車ローンが組めないと考える人がいるかもしれませんが、総量規制は無担保のローンが対象なので、心配いりません。また、「除外の借り入れ」と言うものも存在し、個人事業主が事業資金を借りる場合や、高額医療費の借り入れなどがその除外の借り入れにあたり、総量規制の対象外となります。

総量規制は、過度のキャッシング利用で、自己破産をした人が多くなったことや、ヤミ金融による被害増大を受け、これらを無くそうということで導入されました。違反した場合は罰則も伴う法律ですから、消費者金融会社やカード会社はきちんとこれに従っています。

消費者金融の規制について過去にさかのぼってみると、1980年代に貸金業法が成立してサラ金の厳しい取り立てを制限しました。その後、2003年には、ヤミ金融対策法が施行されました。2006年にグレーゾーン金利が廃止され、2010年に多重債務者の増加を防ぐために総量規制が施行されたのです。